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WHY WORK HERE? WHY WORK HERE?

逃げていたら、何も始まらない。 逃げていたら、何も始まらない。

有井 嘉寛 有井 嘉寛
断られるのが、怖かった。
断られるのが、怖かった。 断られるのが、怖かった。
ようやく頂いたチャンス。絶対に失敗できない。そう何度も自分に言い聞かせて、私はインターホンを押した。
入社1年目。個人保険の営業は考えていたよりも、ずっとずっと厳しかった。右も左もわからないまま、夢中になってお客さまのお宅へと足を運ぶ毎日。何度も断られて、それでも、あえぐように、次のお客さま、その次のお客さまと声をかけていった。生命保険の営業で伺ったことを相手に伝えると、大抵、インターホンの前で断られた。会っていただくこともできない。保険のご説明をさせていただけるチャンスもなかなか無かった。だから、そのお客さまにお時間のお約束をいただけた時はチャンスだと思った。このチャンスを活かしたい。逃したくない。そのことで頭はいっぱいだった。
お客さまは30代の女性。リビングに通された私は、世間話も早々に商品の説明を始めた。この商品はどんなメリットがあり、こちらの商品はここが優れていて……。予習は完璧。説明も、うまくできたはずだった。しかし、お客さまの口から出てきた言葉は「帰ってくれ」の一言。
「もう、帰ってください。あなたは、私のことを何もわかっていない。わかろうともしていない。あなたから保険に入るつもりはありません」。
せっかくのチャンスだったのに。その日、私はそれっきり、別のお客さまのお宅に営業に向かうことがどうしてもできなかった。断られるのが、怖かった。
思い出した、本当にやりたかったこと。
思い出した、本当にやりたかったこと。 思い出した、本当にやりたかったこと。
お客さまがおっしゃられた「帰ってくれ」の一言が頭にこびりついて離れない。失敗を忘れることもできず、上司に全てを話し、相談した。上司から返ってきたのは一つの問いかけ。
「お前は、この仕事で何をしたいんだ」。
「保険を販売したいです……」。
「違うだろ。保険を販売したくて、この会社に入ったわけじゃないだろ」。
もともと、第一生命で働きたいと考えたのは、働くのなら、人の役に立つ仕事がしたかったから。生命保険を販売することが、仕事の目的ではない。生命保険を通して、その人を守りたい。その人が大切に思う人を守りたい。そのために、私は何をしなくてはいけなかったのか?保険は目に見えない。お客さまが契約を交わす時、お客さまの目で判断できるのは、ただ一つ。保険を販売する生涯設計デザイナーの「人間」だけ。商品を売ることばかりに必死になる営業など信頼できるはずがない。私は商品の説明はした。しかし、お客さまの心に寄り添うことができていなかった。本来、その人がどんな夢を持っているのか。どんな人生を歩みたいのか。そんなことも知らずに保険を勧めることなどできない。勧めてはいけない。私は、彼女のことを何も知らなかった。そして、自分という人間を伝えることもできなかった。
私はその日のうちにお客さまに手紙を書き、直接郵便受けに投げ込んだ。手紙では保険には一切触れなかった。謝罪の気持ちと、その日の他愛のないことと、そして、手紙の最後には「明日、お電話かけますので。出てくださったら光栄です」の一言を添えた。当然ではあるのだが、電話をかけてもお客さまは出てくれなかった。それでも、諦めなかった。週に二回、お客さまのお宅を訪問し、手紙を投函した。お客さまがようやく電話に出てくださったのは、1ヵ月半が経ったころだ。

お客さまに教わった、この仕事の使命。 お客さまに教わった、この仕事の使命。

お客さまに教わった、この仕事の使命。

想像していたのとは異なり、電話に出てくださったお客さまの声は穏やかだった。
「来週の木曜日、うちにいらっしゃい」。
もう連絡をしないでほしいと断られるのだろうと覚悟していた。それでも、直接お会いして、謝りたい。アポイントの当日、リビングに招き入れられると、テーブルの上にはこれまで、自分が投函した全ての手紙が並べてあった。
「この間は、キツイことを言ってごめんね。あなた、すごく頑張っている。そのことは伝わってきた。何度も連絡をくれて、ありがとう。あなたにならば、私の保険を任せられると思いました。話を聞かせて下さい」。
嬉しかった。ただただ、嬉しくて仕方なかった。もう、間違えない。この人のために、私に何ができるのか、突き詰めよう。今度こそ、お客さまと一緒に保険をつくっていく。
今、思い返すと、この出来事が自分のターニングポイントだったのだと思う。保険の意義とは何か。なぜ、自分がこの仕事をしているのか。保険のプロとして、お客さまのリスクを伝えられるのは自分しかいない。お客さまがその使命を私に思い出させてくれた。

仲間の心に寄り添うために。
仲間の心に寄り添うために。 仲間の心に寄り添うために。
この使命感があったから、2年目、ホールセール分野の保険販売に仕事内容がシフトし、営業に苦しんだ時も諦めずに続けられた。自分しか、お客さまのリスクに気づいていないのだと考えたら、どんなに断られても、「そのリスクを正しく伝えなくては」と思うことができた。ましてや、ホールセール分野の保険販売でお会いするのは経営者の方ばかり。私が保険をお勧めできなかったことで、その方の家族だけでなく、何人もの従業員の方と、そしてそのご家族が苦しむ可能性もある。そう考えたら、躊躇などしていられなかった。
私にとって、この一年はプレイヤーとして働く最後の一年だ。この2年間、場数は踏んできた。失敗も多かったが、決して失敗からは逃げなかった。そのことがささやかな私の誇りだ。オフィス長になったら……、を話すのはまだ早いのかもしれない。でも、いつか、営業オフィスで働く仲間があの時の自分と同じように仕事に迷ってしまったら、そっと、背中を押すことができるオフィス長になりたい。
「何のために、この仕事に就いたんだ?」
「その営業スタイルは本当にお客さまの心に寄り添っているのか?」
その問いかけが、一歩、踏み出すための力となるということを、もう、私は知っているから。